2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

精神病のオリエンテーション

NAMI(National Alliance on Mental Illness:全米精神障害者家族連合)は、精神疾患を持つ当事者とその家族を支援するために全米で様々な啓蒙活動を行っている非営利団体です。新型コロナウイルスで世界が変わってしまう直前の3月初旬、私の住むコントラコス…

大麻のこと

大麻について書こうかどうか、随分迷いました。こういってはなんですが、私も娘も、「ド」がつくほど真面目な人間です。大麻など、遠い世界のことでした。けれども、鬱の海のどん底にいた娘が大麻で救われた、というのは疑いようのない事実なのです。だから…

『躁うつ病を生きる』

1995年の本ですが、『An Unquiet Mind』(邦題:『躁うつ病を生きる―わたしはこの残酷で魅惑的な病気を愛せるか?』という本を読みました。著者は躁うつ病を患い、自殺未遂までしながらジョンズ・ホプキンス大学医学部の教授となり、躁うつ病の治療研究をして…

睡眠相後退症候群

犬にも不安症や鬱はあるそうですが、睡眠障害はなさそう・・・ 1年ほど前ですが、朝日新聞デジタルに「朝起きられず、昼夜が逆転 背後に潜んでいた二つの病気」という記事がありました。この記事の女子高生は、「起立性調整障害」と「睡眠相後退症候群」とい…

スティグマ

「偏見」という言葉、英語にすると「prejudice」とか「bias」になるのでしょうが、「精神疾患に対する偏見」を考える場合、「stigma」の方がふさわしいような気がします。「stigma」の辞書での訳は「汚名」や「烙印」、ギリシャ語で奴隷や犯罪者の体に刻印さ…

TMS治療(経頭蓋磁気刺激法)

昨年(2019年)、日本でもうつ病のTMS(transcranial magnetic stimulation:経頭蓋磁気刺激法)治療に保険が適用されることになりました。(「ヨミドクター」の2019年6月19日付け記事:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190619-OYTET50000/)。これ…

ケタミン

ここ数年、麻酔剤のケタミンが画期的な抗うつ剤候補として注目を浴びています。他の抗うつ剤や治療法では、効果があったとしても効果が現れるまでに数週間から数カ月かかかる場合が多いのですが、ケタミンは即効性があります。うつ病の治療に使われるケタミ…

加重ブランケット

先日、『テンプル・グランディン 自閉症とともに』という映画を見ました。テンプル・グランディンは自閉症を抱えながら博士号をとり、コロラド州立大学で動物学を教え、自閉症啓発活動を行っている女性です。屠殺される家畜が静かな気持ちで最期を迎えられる…

プロバイオティクス

娘は多種多様な抗うつ剤・抗不安剤を試してきましたが、どれも今ひとつ効果がありませんでした。これを治療抵抗性うつ病(TRD: treatment-resistant depression)というそうです。(ちなみにTMS【経頭蓋磁気刺激法】を保険申請する際は、治療抵抗性であるこ…

共依存

私が娘の世話のためカリフォルニア州に来てから2年以上経ちました。今の私の目的は、いつか私がこの世を去ったときに娘が一人でも暮らしていけるようにしてやること。でも今は、みためはふつうでも、ふつうの人ができることができない。だから私がほとんど身…

治療の長い道のり

それまでカウンセリングはしていたものの、鬱と不安で娘が精神科による治療を始めたのは2017年の夏でした。最初は抗うつ剤としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のレクサプロ(エスシタロプラム)、抗不安剤としてアルプラゾラム(こちらではXanax…

エモーショナル・サポート・アニマル

エモーショナルサポートアニマルとしてお役目を果たす。羊のぬいぐるみがお気に入り。 我が家の柴犬、リキ君は娘のエモーショナル・サポート・アニマル(感情支援動物)。エモーショナル・サポート・アニマルとは、盲導犬や介助犬といったサービス・アニマル…

ブログ開設!

娘が犬の散歩の途中撮った写真。アパートから出ることが不安で、犬の散歩ができた日は花マル日。 アメリカに来て34年、28歳になる娘を持つ母親です。娘は3年前にうつ病と不安障害で仕事ができなくなり、今も社会復帰できていません。私はもともと他州にアメ…