うつ病

自殺予防と心の痛み

Jack Klott著「Suicide & Psychological Pain(自殺と心の痛み)」という本を読みました。鬱病の家族を介護する者にとって、一番怖いのはやはり自殺でしょう。ずっと生きづらさを抱えて生きてきた娘から「生きるのがつらい、私は生まれたくなどなかった」と…

アメリカの健康保険

日本の友人たちと話していて、いつも羨ましく思うのが、日本の健康保険です。アメリカではいつも国民皆保険ということが選挙の争点になり、オバマ大統領の時にはいわゆる「オバマケア」が導入されて公的保険の方向に近づいたのですが、それがかえってオバマ…

サポートグループ

以前のブログで書いたのですが、アメリカには精神疾患を持つ当事者と家族を支援するNAMI(全米精神障害者家族連合)という非営利団体があります。ボランティアによって様々な活動を行っているのですが、その一つ、サポートグループに初めて参加してみました…

精神病のオリエンテーション

NAMI(National Alliance on Mental Illness:全米精神障害者家族連合)は、精神疾患を持つ当事者とその家族を支援するために全米で様々な啓蒙活動を行っている非営利団体です。新型コロナウイルスで世界が変わってしまう直前の3月初旬、私の住むコントラコス…

大麻のこと

大麻について書こうかどうか、随分迷いました。こういってはなんですが、私も娘も、「ド」がつくほど真面目な人間です。大麻など、遠い世界のことでした。けれども、鬱の海のどん底にいた娘が大麻で救われた、というのは疑いようのない事実なのです。だから…

スティグマ

「偏見」という言葉、英語にすると「prejudice」とか「bias」になるのでしょうが、「精神疾患に対する偏見」を考える場合、「stigma」の方がふさわしいような気がします。「stigma」の辞書での訳は「汚名」や「烙印」、ギリシャ語で奴隷や犯罪者の体に刻印さ…

TMS治療(経頭蓋磁気刺激法)

昨年(2019年)、日本でもうつ病のTMS(transcranial magnetic stimulation:経頭蓋磁気刺激法)治療に保険が適用されることになりました。(「ヨミドクター」の2019年6月19日付け記事:https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190619-OYTET50000/)。これ…

ケタミン

ここ数年、麻酔剤のケタミンが画期的な抗うつ剤候補として注目を浴びています。他の抗うつ剤や治療法では、効果があったとしても効果が現れるまでに数週間から数カ月かかかる場合が多いのですが、ケタミンは即効性があります。うつ病の治療に使われるケタミ…

加重ブランケット

先日、『テンプル・グランディン 自閉症とともに』という映画を見ました。テンプル・グランディンは自閉症を抱えながら博士号をとり、コロラド州立大学で動物学を教え、自閉症啓発活動を行っている女性です。屠殺される家畜が静かな気持ちで最期を迎えられる…

プロバイオティクス

娘は多種多様な抗うつ剤・抗不安剤を試してきましたが、どれも今ひとつ効果がありませんでした。これを治療抵抗性うつ病(TRD: treatment-resistant depression)というそうです。(ちなみにTMS【経頭蓋磁気刺激法】を保険申請する際は、治療抵抗性であるこ…

治療の長い道のり

それまでカウンセリングはしていたものの、鬱と不安で娘が精神科による治療を始めたのは2017年の夏でした。最初は抗うつ剤としてSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)のレクサプロ(エスシタロプラム)、抗不安剤としてアルプラゾラム(こちらではXanax…

エモーショナル・サポート・アニマル

エモーショナルサポートアニマルとしてお役目を果たす。羊のぬいぐるみがお気に入り。 我が家の柴犬、リキ君は娘のエモーショナル・サポート・アニマル(感情支援動物)。エモーショナル・サポート・アニマルとは、盲導犬や介助犬といったサービス・アニマル…