「ワクチン打った?」

 先日ワクチン2回目を接種しました。米国は行政区画として州の下に郡(County)があり、私の住んでいるのはコントラコスタ郡というサンフランシスコ湾の北東部なのですが、カリフォルニア州では、ワクチン接種はすべて郡単位で管理されています。最初は医療従事者のみ、次に高齢者や高リスク者、と限定されていたので、健康な私はよほど後回しかと思いきや、3月下旬にはもう16歳以上は誰でも受けられることになりました。それで携帯電話で郡のホームページにアクセスし、いくつかの質問に答え、登録するとあっと言う間に予約が完了しました。こうした制度や普及速度も郡で違いがあるようです。

 私は2回とも郡の公的な医療機関でワクチンを打ってもらったのですが、待ち時間もなく、非常に効率的でした。注射後はアレルギー反応がないか確認するため大部屋の椅子に座って15分ほど待ち、それで完了です。ワクチンの種類は選べず、私はファイザーのものでした。1回目は注射された腕が痛むくらいでしたが2回目は夜から悪寒がして風邪の引き始めのような症状が1-2日続きましたが、その後収まりました。

 こちらでは、今では「ワクチン打った?」というのが挨拶がわりになっている感じで、日経の記事によれば、4月24日時点で少なくとも1回の接種を終えた人は18歳以上で米人口の52%に達したそうです。私の親戚や知り合いもほぼ全員がワクチン接種を終えています。先日オークランドの病院の待合室にいたら、ワクチンが余ってしまったようで、病院のスタッフが手当たり次第「ワクチン接種しませんか?」と勧誘していました。余ったワクチンは廃棄しないといけないからです。(ワクチンがまだ高リスク者に限定されていた頃は、ワクチン接種会場でボランティアをしていれば、余ったときにワクチンを打ってもらえるというような話も聞きました。)ただ、ワクチン接種率は州によって違いがあるようで、西海岸では概ね積極的ですが、南部や中西部では消極的なようです。ワクチン懐疑派の理由は、安全性の懸念というよりも、個人の選択の自由や政府の介入といった政治的な議論に移っているようで、民主党支持者は積極的、共和党支持者は消極的なのだそうです。しかもそういった議論がフェースブックなどのソーシャルメディアで広がるために、ますます二極化しているのではないかと思えます。ワクチンやマスク着用が政治化されてしまうというのは、残念なことです。

 それにしても、このワクチン開発のスピードには目を見張るものがあります。新型コロナの感染が騒がれ始めてからほぼ1年で量産にこぎつけたのですから。十分な治験が行われていないことに批判もありますが、リスクと利点を比較したら利点の方がはるかに大きく、人類の危機を救ったと言ってもよいのではないかと思います。「ワクチン打った?」が合言葉になって次第に消極派も説得され、1日も早く国民の7割がワクチンを受けて集団免疫が達成されることを願っています。

追記:

 クリスピー・クリームは、ワクチンを2回接種した証明書を提示すると無料でドーナツ1個進呈という「COVID-19  VACCINE OFFER(コロナワクチンキャンペーン)」を全米で展開しています。なんと5月下旬まで、ほしければ毎日でも一人1日1個もらえるらしいです。私も誘惑に負けて行ってきました。毎日ドーナツを食べていたらコロナよりももっと健康に悪いような気もしますが、さすがアメリカ、大盤振る舞い!とちょっと感心しました。ワクチン拒否派には月曜に限りドーナツ1個とコーヒー進呈、という政治的な配慮も。

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