ネットフリックス「ラブ・オン・スペクトラム〜自閉症だけど恋したい!〜」を見て

ネットフリックスで「Love on the Spectrum(邦題:ラブ・オン・スペクトラム〜自閉症だけど恋したい!〜)」という番組を見ました。オーストラリアに住む自閉症の20代の男女何人かがパートナー探しをするリアリティ番組です。見ているうちに誰かいい人がみつかりますように、と心から出演者を応援する気持ちになる、とてもよい番組でした。「I am on the spectrum」というと、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder:ASD)があるということです。自閉症といってもその症状や程度は様々で、20歳近くになるまで自閉症と診断されなかった若者も何人が出演していました。特に女性の場合は、自閉症は男性の方が格段に多いと広く思われているため、診断が遅れがちのようです。

それにしても、出演者の何人かが「きらいなもの」として挙げていた音やにおいなど、敏感な聴覚・臭覚・感覚はOCD(強迫障害)の私の娘とも通じるものがあって、メンタルな障害はひとくくりにできないのでは、という思いが強くなりました。実際に自閉症とOCDとの併存は多いと言われています。例えば、「お茶をすする音」「新しい服がチクチクする感覚」「芝刈り機の音」など、とても具体的な感覚が我慢できないのだそうです。しかも、例えば黒板を爪でひっかく音は誰もが不快に思うものですが、娘に言わせれば自分にとって我慢できない音は、不快を超えて実際に体に痛みを覚えるほどなのだそうです。一人の出演者は、自閉症であることは「透明な箱に閉じ込められているような気がする」と言っていました。外の人が見えても自分は彼らを理解できない、そして外の人は中に入ってこれない、そしてやはり自分のことを理解してもらえないからです。 私自身、今まで自閉症とはどのようなものかよく理解していませんでしたが、この番組によって彼らの距離が少し近くなった気がします。

もう一つ心に残ったのは、出演者の両親はじめ、家族がみな明るかったことです。もちろん大変な苦労があったのでしょうし、それを語るときに涙ぐむ人たちもいましたが、成人した子どもたちを慈しみ、応援している姿に私もなんだか元気づけられました。

 

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