ペットの病気とOCD

娘がセロトニン症候群で救急に運ばれて数日後に今度はうちの柴犬リキが救急に行く騒動がありました。夕方から6回ほど嘔吐を繰り返したのです。夜中に救急センターに電話した後、様子を見ることにして、未明には止まりました。翌朝、リキ自身は元気があるようにみえたものの、再び獣医に電話したところ、「6回も吐くのはおかしい。すぐに救急に連れていくように」と言われたのです。OCDがある娘はそれを聞いただけでほぼパニック状態になりました。獣医に救急に連れて行けと言われてしまった以上、行かないわけにもいかず、犬猫救急病院へ行きました。リキに万一のことがあったら、リキをエモーショナル・サポート・アニマルとして頼りにしている娘がどうにかなってしまうのではないかという心配も私にはあったのです。

こちらはコロナウイルスのせいで、犬猫病院に行っても飼い主は中に入れず、玄関口でペットをスタッフに頼んで、飼い主は駐車場の車の中で待機です。娘の頭の中は、リキが大好きでよくかじっていたプラスチック製の骨の切れ端がお腹の中に刺さっているのではないかという心配が渦を巻いていたようです。では、超音波検査をしてみましょう、ということになり、それがなんと900ドル!値段を聞いただけでまた娘はパニックになったのですが、検査をしない限り大丈夫かどうかわからないと言われれば、全財産をなげうっても、という気持ちになったのでしょう、お願いすることになりました。無職の娘はほぼ貯金を使い果たすことになりました。結局超音波のためにお腹の毛を剃られ、洗濯で縮んでしまったセーターを着ているかのような格好にされたリキですが、何も異常はみつからず、今は元気です。

どこが痛いとかを口にすることができないペットの検査や治療をするかどうかの判断はそれでなくても難しいものですが、OCDがあればそれはさらに難しいような気がします。どんどん悪い方へと考えがネガティブになって、最悪の事態ばかり想定してしまい、自分を責めてしまうからです。実は去年の11月にも、リキを救急に連れていく騒ぎがありました。散歩途中に蛇が出てきて、リキが飛び跳ねて叫び(柴犬は叫ぶ傾向があるようです)、娘はリキが蛇に咬まれた、毒蛇だったら死んでしまう、とパニックになったのです。リキ自身はキョトンとした顔で、もう蛇のことは忘れてしまったかのよう、怪我をした様子もないし、動揺する娘に私は「たいしたことないから落ち着きなさい」と言いました。その時の私の対応が意に介さない態度に映り、子供の頃、頭を何針か縫う怪我をしたときや、鼻の骨にヒビが入っていたらしいことが後で判明したのですが、その時も私と夫が医者につれていくことを渋ったときのことなど、昔の心の傷が蘇って精神的に不安定だった娘は最悪のパニックに陥りました。結局娘を落ち着けるためにリキを救急に連れて行ったのですが、娘は車の中で震えるばかりでした。

今回は、あくまでもリキの飼い主は娘であることを尊重して、なるべく娘に任せることにしました。おしよせる不安感と戦いつつも心を落ち着けてとりあえず様子を見、翌朝獣医に電話をし、話をし、検査をするかどうかを判断したのはすべて娘です。そして、私が娘の心配を言下に否定せず、落ち着いてそばにいたことを娘から感謝されました。娘も私も去年の出来事から教訓を得て少し成長したのかもしれません。私も近頃は娘のパニック発作が起きてもうろたえず、「大丈夫。一時的なものだから」と心静かにそばにいてあげるだけです。そして、発作の間も私の平静心が伝わるそうで、薬を使わなくてもパニック発作が次第に収まるようになってきたそうです。今回の騒ぎでは娘の貯金はなくなり、リキも毛を剃られて可愛そうな格好にされてしまいましたが、大事に至らず、二人がお互いに去年からの進歩を確認できる体験だったように思います。

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900ドルのグルーミングといえなくもない。。。



 

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